第五話:斉滅亡灌嬰が韓信について斉へ向かう少し前であったと思われるが、 楚から漢へ鞍替えした陳平が俄かに重用されはじめた。 当然、昔から劉邦に従う諸将は面白くない。 諸将からの讒言があったが劉邦は取り合わない。 陽で項羽に囲まれている最中、ついに周勃と灌嬰が劉邦に讒訴した。 しかし劉邦は陳平を護軍中尉に任じ、讒言を取り上げなかった。 韓信に属した灌嬰は、食其が外交をもって降服させた斉を攻めた。 斉はあっという間に負けた。 騎兵をもって歴を攻撃し車騎将の華毋傷を捕虜とし、臨を降して将軍田光を生け捕った。 逃げた斉宰相の田横を追い、千乗で将軍田吸を打ち破り吸を斬った。 斉王田広と宰相田横は高密に逃げ込み、敵対していた楚に援軍を頼んだ。 斉を漢に取られては一大事と項羽は竜且・留公・周蘭を派遣し二十万の大軍と称した。 韓信は水を塞き止め竜且の軍が半ば川を渡った時に堰を破壊し、竜且と軍を引き離した。 灌嬰の兵が竜且を斬り、灌嬰自身も周蘭を生け捕った。斉王田広も捕虜となった。 自立して斉王を名乗った田横が攻撃してきたが、灌嬰はこれも退け田横は彭越の下へ逃げた。 斉は滅亡した。 |
|