第六話:項羽敗死斉が平定されると韓信は自立して斉王となった。 灌嬰や曹参が客将とされたのかどうかはよくわからない。 灌嬰は韓信の本隊とは別に軍を率い、魯の北で楚将公杲を撃破し、薛郡で郡長の兵を破った。 傅陽を攻め下相を落とし、淮水を渡って広陵に至った。 後背地や故郷を次々と攻め落とされた項羽は焦り、 項声・薛公・公を派遣し奪われた城を取り戻させた。 灌嬰はすぐさま反転し下で楚軍に遭遇し、項声を撃破し薛公を斬った。 そのまま楚都彭城を攻撃し柱国項侘を捕虜とし、ついに楚都を落とした。 劉邦の故郷の沛・留らの城邑も奪取した。 この灌嬰別働隊の働きで、項羽の命運は定まったといえる。 灌嬰は再び軍を動かし、頤郷で劉邦と合流しともに陳で項羽本隊と戦った。 劉邦は灌嬰の働きを喜び、食邑2500戸を増し与えた。 項羽は垓下まで逃げたが、さらに南へ逃げた。 劉邦は灌嬰に五千騎をつけて追撃させた。 灌嬰伝によればこのとき項羽に従っていた兵は12000人余りで、後に灌嬰に捕らえられている。 (項羽本紀では垓下で数百騎とともに逃げたが、烏江でに二十八騎とともに全滅したことになっている) 東城の南、烏江で項羽を追い詰め、灌嬰の部下五人が項羽を斬った。 灌嬰は転戦し東城・歴陽を降し、長江を渡り呉郡の兵を破り郡守を捕虜とし、 呉・豫章・会稽三郡を平定した。再び長江・淮水を渡り五十二県を降した。 天下は遂に平定された。 |
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