第四話:機動力劉邦が彭城で負けた後、魏王豹も叛き楚についた。周囲は敵だらけになった。 食其が行って説いたが、豹は聴き入れなかった。 食其は敵軍の諜報も兼ねており、帰還し劉邦に内情を伝えた。 |
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劉邦 | 「魏の大将は誰だったか。」 |
食其 | 「柏直です。」 |
劉邦 | 「ははは。ヤツはひよっこにすぎん。 韓信の相手にならんだろう。 騎将は誰だったか。」 |
食其 | 「馮敬です。」 |
劉邦 | 「秦の馮無択の子で賢明だが、灌嬰に敵わないだろう。 歩将は?」 |
食其 | 「項它です。」 |
劉邦 | 「話にならんな。曹参に敵わないだろう。 魏のことは心配するまでもない。」 |
こうして劉邦は、韓信を大将とし灌嬰を騎将として別働隊を編成した。 一ヶ月もしないうちに韓信・灌嬰らは魏王豹を虜にし、魏を平定した。 灌嬰は詔を受け黄河の南を攻撃し、項羽軍の糧道を絶つ任務を帯びた。 騎兵を率い陽武から襄邑の補給路を絶ち、魯で項羽配下の項冠を打ち破った。 燕(北方の燕国でない)で項羽の将柘公と王武の軍を破り、白馬で王武の別隊を撃破した。 その後、灌嬰は劉邦と合流し洛陽へ至ったが、 すぐに邯鄲へ向かい、井から趙を降した韓信の軍を出迎えた。 すぐさま邯鄲から敖倉へ戻り、御史大夫に任じられた。 韓信が斉攻撃の任務を帯びると、灌嬰は再び韓信の下につき斉へ向かった。 こうして見ると、灌嬰の騎兵隊は機動力があり移動距離もずば抜けている。 まさに神出鬼没である。 |