万世大路福島側 その2 2003.11

暗く、小規模の落盤がある二ツ小屋隧道を抜けると道が細くなる。

(隧道内部の映像は10月のものをご覧下さい)

しばらく走行すると、烏川橋が見えてくる。

烏川橋の欄干はぼろぼろで、二ツ小屋隧道と同じく満身創痍であるが、

未だに林業関係者の車や渓流釣り愛好者、そし私のような好き者を通す。

月並みな感想であるが、歴史を感じる。

万世大路は等高線に逆らわず、

ピークを巻き、九十九折で徐々に標高を稼ぐ。

だからこそ、現在まで「道」として残っているのだろう。


朝靄が幻想的だ。

進むにつれて、藪が減り木が枯れてゆく。

九十九折を過ぎると左に視界が開け、圧迫感から開放される。

ふと下を見ると、前回は無かった謎の物体が。

「平成15年12月末日までこわさないでください」と書かれている。

山の樹木は冬を迎える準備をしている。


藪は枯れ、視界が開ける。


1007mの山を巻くと大平集落跡に着く。林業の方は「行き止まり」と呼んでいた。

写真は大平集落跡手前左側に広がる平地。田畑の跡だろうか。

ちなみに、大平集落跡の写真は撮り忘れた。


こちらは10月初旬の大平集落跡の広場。

10月はここまで来て藪の勢いに負けて引き返したのだ。




大平集落跡から先は道が無い。

藪に真っ直ぐ突っ込むと、かすかな獣道がある。

自転車で来てよかった。藪が枯れているのでなんとか漕げる。


こちらは10月初旬の写真。

藪が酷い。本当に道が無い。

しかし、今回(11月)の写真と比べると、全然「色」が違う。


藪の中を進んでいると、右手に視界が開け蛇行する川が見える。

なんとなく、「ここには人が住んでいたんだなぁ」と思った風景。

道の両側が急角度で崩れている。

左側の崩落は古いらしく、斜面には草が生えていた。

右の斜面は急であり、滑落すれば川に落ちる。骨折で済むかどうか。

道幅は40cmあるかないか。

これは帰りの写真だが、ご覧のようにかなり危険である。

通過はバイクがぎりぎりではないだろうか。

もし、バランスを崩したら命の保証はできない。


右は藪になっているが、実は切り立った崖である。

自転車に跨ったままここを通過した私はかなりの馬鹿である。

良い子はまねしないよーに。


しばらく藪の中を進むと突然広い場所に出る。

大平橋である。

もう二度と車が通ることのない橋だ。

色々なサイトでこの景色を見たが、実際来てみるとやはり感慨深い。


橋の先は再び藪である。

ここで自転車を置いた。もう漕げる所がほとんど無いからだ。

ここから先は徒歩となる。身を守る鈴やラジオは必携だ。

大平橋のたもとは大きく崩れている。

この橋もいつか落ちてしまうのだろうか。


戻る その3