栗子山塊越え 2005.11.05

 今回は私のスケジュールがなかなか決まらず単独での栗子山塊越えとなった。
太腿を負傷したり、獣に威嚇されたりと単独行の恐ろしさを充分知った。
反省すべき点が多い山越えであった。

■注意■
栗子隧道の上の稜線を越えるといっても、登山道はありません。常に遭難・滑落等の危険が付きまといます。
入山には十分注意してください。滑落すれば死は免れられません。
怪我をしたり獣に襲われても誰も助けに来ません。携帯電話は栗子隧道前と稜線付近で入ります。(NTTdocomo)

10:55
栗子隧道福島側坑口から。
帰還開始。


11:09
隧道を出てすぐに旧杭甲橋を過ぎ、九十九折にさしかかるのだが、
ここで聞いたこともない獣の声に遭遇した。
初めは、チェーンソーのモーター音だと勘違いし「ん?こんな所で山仕事かな?」と呑気に構えていた。
しかし二段目のつづらを回ったとき、その音が獣の唸り声であることに気が付いた。
しかも二匹。子と親か。
血の気が引いた。何もできなかった。
とにかく平静を装い、鈴の音を鳴らしてゆっくりと遠ざかった。

助かった・・・冷や汗がたっぷり出た。

この獣、どうやら熊ではないようだ。
山口屋さんによると、熊の警戒音はシューとかシーとかいう音だそうだ。
この獣、一体なんだったのか・・・?


11:09
今回は、山口屋さんが見た滝と石碑を見に、写真左からむりやり崖を降りた。


11:12
おおおお!!
確かに自然の滝だ。
なんというか、自然は凄いなぁ。
うまい言葉がみあたらない。


11:13
栗子不動明王の石碑も健在だった。
80年間、万世大路栗子峠越えを見守り続けてきたのだろう。


11:18
杭甲橋から隧道方面を見ると、見事な紅葉。


11:18
杭甲橋の先も酷い藪。
行くしかあるまい。


11:30
大平橋に到着。


11:30
素晴らしい紅葉だ。
大平の人々も毎年見ていたのだろうか。


11:46
とりあえず定点撮影(^-^;;
大平集落の車道行き止まりには軽四駆が停まっていた。渓流釣りの人だろう。
どこにも人影は無かった。


11:46
段々疲労が誤魔化せなくなってきた。
正直つらい。痛めた足もつらい。




12:07
猿の大群に遭遇。
今回は獣によく遇うなぁ。
猿は次々と道を横断したり枝から枝へ飛び移り、こちらを威嚇してきた。
しばらくじっと待っていたら群れごと山の方へ移動していった。
こういう場所では人間の方が邪魔者なのだ。



12:15
烏川橋に到着。
緩やかな流れは健在だった。
あと一息で二ツ小屋隧道だ。


12:23
ついに到着。
二ツ小屋隧道。


12:23
二ツ小屋隧道から振り返って一枚。
空の青が美しい。


12:26
いつもの大穴は、さらに大きくなっていた。
二ツ小屋隧道はいつまでもつのだろうか。
ライトも点けずに進む。



12:30
この写真を見るたびに、この隧道はそう長くないなと思う。
これも自然の摂理なのだ。
通れなくなったら、山の上を通ろう。杣道程度なら山神さんも怒らないだろう。


12:40
穏やかな万世大路。
まだ紅葉が少ない。


12:53
ここで携帯電話の電波が入った。
dark-RX氏に生存報告の電話を入れる。しかしすぐに切れる。
メールは何とか送れた。
迷惑かけてばかりで申し訳ない。m(_ _)m
ふぅ・・・


13:18
ついに東栗子トンネルに到着。
疲れたーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生きて帰ってこれた。奇妙なことだが、ひしひしと実感が湧いてきた。

さあ、もう一度米沢砕石まで行ってMTBを回収しなくては。


14:22
板谷集落の雑貨屋のおばあちゃんに良い温泉を聞いたら滑川温泉を勧められた。
ここは水力発電とくみ上げの水とで電気水道まかなっているようで、節水・節電の張り紙があった。
硫黄泉でなかなかの湯だった。シャワーが無かったが仕方がない。
癒せる疲れではなかったが、多少ましにはなった。



この後、dark-RX氏に感謝の連絡を入れ、郡山で飲むことに。
デジカメの写真を二人で見ながら話しが弾んだ。


今回もdark-RX氏に感謝の念を込めつつ、筆を置く。
次回は是非ご一緒させていただきたい。


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栗子山塊越え略図