その2 | |
軌道跡に侵入してすぐに、小さな沢が横切る。 沢は気の遠くなるような時間をかけて地を削り小さな深い谷を作っていた。 |
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そこから飛び出た謎の鉄管。誰かが足がかりとして挿したのかどうか。それとも・・・ 太さは15Aだったような気がするのだが・・・しっかり見てくればよかった。 |
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ここから一気に軌道跡は潅木の海となる。 しかし数回調査に訪れている道先案内人、信夫山氏・バリー氏がいるので、不安は薄い。 特に、バリー氏は平野育ちの私に山歩きを初歩から教えてくださった。 潅木の避け方、沢の歩き方。非常に有難かった。 |
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冬場の雪の重みで木はみな軌道跡側に倒れ込んでいる。 歩き難いことこの上ない。顔にビンタを数回食らった。 藪漕ぎというより、枝漕ぎか。 すでに何の写真か判らない。 山腹になにか人工物を発見したヨッキれん氏。 信夫山氏が斜面直登するも、ただのゴミ。 風に飛ばされて引っ掛かっていたらしい。 ゴミは持ち帰りましょう。 次第に軌道跡は不鮮明に。 穏やかな流れの烏川。我々は軌道跡を見失う。 烏川両岸にはこういう広場が散見される。人夫の飯場だったのかもしれぬ。 もう、どこが軌道跡かまったく判らない。信夫山氏の判断で、対岸の林道跡へ入ることに。 おお、林道「跡」だ。ちゃんと道に見える。 一人廃林道を先に進むヨッキれん氏。孤独の似合う男。 廃林道の方が格段に歩きやすい。 廃林道終点の先にあった廃タイヤ。人工物があると何故か嬉しい。 もう林道もない。ひたすら沢歩きとなる。 |
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遂に本格的な沢歩きが始まる。 dark-RX氏、信夫山氏、バリー氏と私は談笑しながら進んでいたので、自然とこの四人がしんがり隊となっていた。 dark-RX氏は、初めてのネオプレンの感覚を楽しんでいた。スパイク付きのブーツは強力だったようだ。私も買っておけばよかった・・・ 信夫山氏はおもむろにMy地図を取り出し、現在地を推定し周囲を驚かせた。 バリー氏は自ら最後尾を担ってくれた。 私は水苔で滑って転び、濡れたりしていた。 た、頼もしいしんがり隊だ! |