第一話:秦の柱下御史


張蒼は河南郡陽武県の人である。
(陽武といえば陳平と同郷であり、張良が始皇帝を襲撃したのも陽武である。)

身長は八尺(約2m)あり、ふくよかに肥え美丈夫であった。

張蒼は若い頃より図書・暦法に精通し、

秦の時代に朝廷に入り柱下御史(図籍秘書・書記を勤める)となった。

後、罪を犯し陽武県に逃げ帰った。

劉邦が懐王の命で咸陽を目指して陽武を通過したときに、賓客となり随行した。


張蒼は南陽を攻める際、軍法に背き斬罪となった。

着物を脱ぎ斬首台に伏したところ、王陵が張蒼の美丈夫さを見て驚き、死刑執行を止めさせた。

王陵はそのまま劉邦のもとを訪れ、

張蒼はみどころのある人物であると説いて罪を赦すように取り計らった。


これにより、張蒼は王陵を父として慕うこととなる。


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