第三話:法を枉げず


ある時、太子(後の景帝)が梁王(劉武。こちらを参照と馬車に乗って参内し、

司馬門で車から降りずにそのまま通過したことがあった。

規則では、下車して歩いて潜らなければいけなかった。

張釈之は、この皇子二人を追跡して車を停めさせ、宮廷に入れなかった。

そして「太子と梁王は司馬門で下車せず、不敬罪に当たる。」と上奏し弾劾した。


これを聞いた薄太后は驚き、すぐさま息子の文帝を呼んだ。

文帝は冠を脱いで、「申し訳ありません。子息の教育が不行届きでございました。」と謝った。

薄太后は使者に詔を持たせ、「太子と梁王を赦す。」と張釈之に伝えさせた。

太子と梁王はようやく宮中に入ることができた。


文帝は、張釈之を人によって法を枉げない立派な人物だと判断し、

中大夫(皇帝の顧問役)に任命した。


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