第六話:郭解伝3


元朔二年(BC127)、武帝は各地の豪族と三百万銭以上の資産を持つ者を

茂陵(武帝陵。生前から建築が始まっている)に移住させた。

郭解は三百万銭の資産が無かったが豪傑であり、茂陵へ移されるべき人物であった。

役人は後難を恐れ郭解の移住を強制できなかった。

が、皇帝の命も無視することができず、移住させないわけにはいかなかった。

次第に事が大きくなり、武帝のお気に入りだった車騎将軍衛青が武帝にこのことを言上した。

衛青 「郭解の家は貧しく、移住させる資格に欠けておりますが。」

武帝 「解は平民でありながら、その権力は将軍を動かすに至っておる。

彼が貧乏なわけがない!」

こうして郭解は茂陵へ強制移住させられることとなった。



この強制移住は、始めから郭解とその一味を切り離す目的があったのかもしれない。

この後、郭解の子分たちは頭を失って暴走し、その災禍は郭解にも及ぶこととなる・・・


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