第三話:陛下即桀紂之主也


周昌は生まれつき力が強く、間違ったことは正さずにいられない性格だった。

幾度も直諫をするので、蕭何や曹参といった大物ですら彼に遠慮した。


ある時周昌は奏上することがあって、劉邦のひまを見はからって参上すると、

劉邦は愛姫・戚姫と交わっている最中であった。

周昌は「マズいときに来てしまった!」と恥かしくなり、一目散に逃げ出した。

劉邦は周昌が逃げ出したのに気付き、戚姫の体から離れて周昌を追いかけた。

劉邦は追いつき、周昌を押し倒した。そして、うなじに馬乗りになって言った。


劉邦 「わしをどんな君主だと思う?」

周昌 く、ぐるじい・・・

へ、陛下は、桀や紂のような暴君です。」


劉邦は大笑したものの、内心誰よりも周昌を憚っていた。


そんな周昌の硬骨ぶりが発揮される時が来る。

劉邦が戚姫を愛するあまり、呂后との子・劉盈を廃し、

戚姫との子・劉如意を立てようとした時のことである・・・


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