第一話:昌と苛


周昌(しゅう・しょう)は、高祖劉邦と同郷・沛の人である。

彼は従兄の周苛(しゅう・か)と共に、秦の泗水郡事務官の職についていた。

劉邦は沛で反乱を起こし、泗水郡の役所を攻撃し降した。

周昌と周苛は劉邦に従うこととなった。

劉邦は周昌を職志(旗・幟を管理する官)に任命し、周苛を賓客とした。


昌と苛の二人は劉邦と共に武関を越え、秦を破った。

劉邦が巴蜀の地を与えられ漢王となると、

周昌は中尉(首都警備の長官)に任命され、周苛は御史大夫(副丞相)に任命された。


周昌、周苛はこのあと清廉剛直をもって、戦場宮廷問わずその名を轟かせることになる。

劉邦の人事は鮮やかというほかない。


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