第六話:絶食


劉長は閉じ込められた車の中で侍者に言った

「誰がわしのことを勇気があると言ったのだ。

わしはただ驕慢だっただけなのだ。

わしは自分の過失を聞かされることなく、

ついにこういう破目になったのだ。」

そして、それから絶食して死んだ。


各県の伝送者は、怖れて誰も車の封印を開けようと

しなかった。

雍県に到着すると県令が初めて封印を開き、

劉長が餓死しているのを見つけ、その死を上聞した。


文帝は声をあげて泣き悲しみ、袁おうに言った。
文帝 「わしはお前の言葉に従わなかったために、遂に淮南王を失ってしまった。」

おう 「もう終わってしまったことを嘆いても仕方がありません。

どうか陛下、くよくよなされませぬよう。」

文帝 「この一件、どう処置したらよいか。」

おう 「丞相と御史を斬り、天下に詫びてくださいませ。」


文帝は丞相と御史を斬ることはせず、丞相と御史大夫に命じて、

淮南王を伝送した者で封印を開かず食事を進めなかった者を捕らえ、棄市の刑に処した。

そして淮南王を列侯の葬式で雍に葬り、墓守として三十戸を置いた。


文帝八年、淮南王の一件を後悔していた文帝は、

劉長の四人の息子がみな七、八歳になったので、

安を阜陵侯に、勃を安陽侯に、賜を陽周侯に、良を東城侯に封じた。


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