王翦という人は、内史（後に分割され左馮翊に）頻陽県東郷の人である。 漢書地理志によると、秦都咸陽を含む内史は大都会であったという。 王翦は若い頃から兵法を好み、秦王政（後の始皇帝）に仕えた。 将軍として兵を率いるまでの足取りはよくわからない。 初めて登場するのは、秦王政十一年、魏から趙へ譲渡された  攻めの時である。王翦は既に将軍となっており、桓  や楊端和と共に進軍した。を攻撃したが陥落させることができず、まず周辺にあった九城を落とした。は趙にとって重要な都市であり堅牢な城であったので、簡単に落とせないと考えた王翦は、桓 と楊端和を九城に留め置き、単独で軍を動かし閼与（上党郡銅 県付近）と 陽（上党の西北百八十里）を攻撃し、これを落とした。閼与・ 陽ともにの上流に位置し、秦軍は有利な地勢を手に入れた。東方の魏を牽制する意図があったのかどうか。 閼与・ 陽を落とした王翦は、再び桓・楊端和と合流した。 王翦はそれでも を落とすにはまだ力不足だと思い、驚くべき命令を出した。を攻めた十八日の間で功績のない者を国へ帰し、さらに十人のうち二人を選んで従軍させた。兵力は激減したが、選りすぐりの精鋭部隊となった。 この部隊は強く、 は落城した。この戦の功績で、桓 は将軍に昇進した。 |
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