補足:新安で20万人を土に埋めた・・・
項羽が、章邯率いる秦の正規軍を趙で叩き潰したことは前に述べた。
それによって、張耳と趙王趙歇も救われたわけである。
この時、項羽は、秦軍のほとんどを降伏させている。
なんと、20万人を降伏させたのだ。・・;
「正規軍も消滅させたし、あとは秦の地へなだれ込むだけ♪」
と、思った項羽だったが、
楚の兵は8万強、降伏した秦兵は20万・・・。
降伏した側のほうが人数が多い。
兵糧がもたない。
武器は持っていないとはいえ、これは楚軍にかなりの心理的圧迫を与えたはずである。
項羽は、遂に決断した。
あるとき、降伏した秦兵を、崖の上に宿営させた。
皆が寝静まったころ、密かに、谷に面する方向を除く三方に兵を伏せた。
三方に伏せてあった楚兵は、喚声を揚げながら、一斉に降伏した秦兵の陣営を襲った。
秦兵は大混乱に陥った。
三方から攻められては、逃げ場がない。
漆黒の闇のなか、秦兵20万は
自然と深い谷の方へと逃げた。
楚兵はさらに包囲の輪を縮めた。
秦兵は次々と谷底に落ちた。
20万人が谷に落ち、死んだ。
次の朝、
楚兵達は、谷を土で埋めた。
秦兵20万は一瞬にして消えた・・・・・。
かつて秦兵を率いていた章邯は、(この時期は秦兵と引き離され、項羽に近侍していたようである)
次の朝、真相を知り、
以後、無気力な人間になってしまった。
彼は、項羽から雍王の位を貰うが、
劉邦が、項羽に反旗を翻した時に
項羽のために戦い、
あっけなく死んだ。
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