第二話:先帝賜臣劍凡六


衛綰は景帝が皇太子の頃、酒席に招かれたが病と称して行かなかったことがあった。

景帝は即位してからも衛綰を重用することもなく、声も掛けなかった。

しかし衛綰は気にする風も無く、謹み深く勤めた。


ある時、景帝が上林苑に行幸した。

衛綰は添え乗りするよう命じられた。

宮中へ帰還すると、景帝が言った。

景帝 「君は何故わしと同乗できるようになったか知っているか?」

衛綰 「臣は代の戯車の士をしておりましたが、

年功によって昇進し中郎将に任じていただきました。

わけは存じませぬ。」

景帝 「ふふ。そうか。

わしが太子であった時、君はなぜ酒宴に来なかったのだ?」

衛綰 「死罪であります。臣は病気でありました。」


景帝 「そうか。

君は今まで何の文句も言わずに謹み深く仕えてくれた。君に剣を与えよう。」

衛綰 「臣は先帝から六振りの剣を賜りました。

陛下からさらに頂くわけには参りません。」

景帝 「なんと。

剣は好んで交換するものであるのに、今も君は持ち続けているのか!」

衛綰 「すべて保管してあります。」

景帝 「ぜひわしに見せてくれ。」

こうして景帝が六本の剣を取り寄せてみると、

剣は全て鞘に収められたままで佩用すらしていなかった。


郎官に過ちがあり咎められると、衛綰はいつも罪をかばった。

同僚と功績を争うこともなく、功はいつも人に譲った。


こういったことから、景帝は衛綰は長者で忠義の人であると思った。


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