第一話:醇謹無它


衛綰は太原郡大陵県の人である。

大陵県は汾水の支流文水に面し、古来より付近では鉄を産出し

前漢・後漢を通じて鉄官が置かれていた。


衛綰は文帝の時代に戯車(左右から車に飛び乗る)の技によって召しだされ、郎となった。

年功によって昇進し、中郎将となった。


慎み深く恭しく忠義な人柄であった為、文帝は衛綰を長者であると認めた。

文帝は臨終のとき太子の景帝に、衛綰は忠義であるから重く用いよと遺言した。


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