田叔は趙の城の人で、戦国斉王家の末孫である。 田叔は若い頃から剣術にうちこみ任侠を好んだ。 また楽巨(高名な楽毅の一族)の下で黄老の学を学んだ。 人柄は非常に廉潔であり、長者と交わることを喜びとした。 漢代に入り、人々は趙丞相の趙午に田叔を推薦した。 趙午は田叔と語り合ってみると類稀な逸材であることに気づき、趙王張敖(張耳の子)に推薦した。 張敖はすぐさま田叔を郎中に任命した。 数年が経ち、張敖は田叔の公平潔白さに感心したが、 これといった功もなく昇進させるには至らなかった。 そんな時、趙王張敖に最大の困難が襲いかかった。 |