第二話:推戴


始皇帝が死に二世胡亥が立つと、反乱が相次いだ。

大沢郷で陳勝呉広が、会稽で項梁が、広陵で召平らが蜂起した。


東陽でも血気に逸る青年たちが乱を起こし、県令を殺し反乱軍は数千人に膨れあがった。

しかし頭目に人を得なかった。

そこで青年たちは信望のあった陳嬰を頭に抱こうとした。

青年達は陳嬰にそのことを相談したが、彼は即座に断った。

しかし青年達は脅して陳嬰を頭にし、有無を言わせなかった・・・。


陳嬰が反乱軍の首領になったという話が伝わると、東陽県内から二万人もの人が集まった。

人々は陳嬰を王に立て、皆青い帽子をかぶり蒼頭軍として他軍と異なることを示した。


陳嬰は、自分のあずかり知らぬところで次々とことが運び何時の間にか二万人の頭となっていた。

彼は途方に暮れたが、強力な助言者が彼の人生を明るい方向へ導くのである。


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