乳房〜干宝『捜神記』より〜


蜀郡出身の張寛(字は叔父)は武帝の時代に侍中(天子の下問に備え落度を補う)となった。

あるとき、甘泉宮で行われる祭りに参加するために、帝に従って渭橋(渭水に架かる橋)にさしかかった。

すると、渭水で水浴びをしている女性がいたが、その女性の乳房はなんと七尺(157cm?)もあった。

武帝は奇怪だと思い、人を遣ってその女性に尋ねさせた。


「おぬしは何者だ?」

「陛下の後ろの七番目の車に乗っている方が私を知っています。」


七番目の車に乗っていたのは張寛だった。

そこで武帝は彼を呼び出して聞いた。


「一体、あの女は何者なのか?」

「あの女は、実は天の星でございます。祭主の身の清め方が十分でなく穢れているので、

星が女の姿になって現れて注意してくれたのです。」


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