「挽歌」の由来
古来から挽歌は葬儀の際の音楽であり、霊柩車の縄を引く者たちが唱和する歌である。
挽歌の歌詞には「薤露(かいろ)」と「蒿里(こうり)」の二つがあり、
いずれも田横の門弟の作品である。
田横が自殺したとき、門人たちが悲しんで作ったとされる。
「薤露」とは、「人の一生は薤(にら)の葉っぱに宿る白露のような儚いもので、消えやすい」
という意味を込めた歌であり、
「蒿里」とは、「人間が死ぬとその霊魂は蒿里山(泰山の南にある)に帰ってゆく」
という意味が込められている。
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『捜神記』での記述はたったこれだけである。
真実かどうかは別として、田横という人間がどれだけ多くの人の心を掴んでいたかがわかる伝説でもある。