第一話:辯士


陸賈は『史記』『漢書』共に伝が立てられているにもかかわらず、

楚の人である、としか書かれておらず出身県は不明である。

楚の出身であるのに項羽に仕えず劉邦に仕えたが、その経緯もまったく不明である。


『新唐書』卷七十三下 表第十三下 宰相世系三下によると、

『三国志』に登場する陸遜の一族らしいのだが胡散臭い。


陸賈は弁舌に優れ天下にその名が喧伝されており、劉邦の賓客として迎えられた。

常に左右に侍り、諸侯への使者となった。

初めに『史記』に陸賈の名が現れるのは秦の二世胡亥の死後、

劉邦が武関を突破し首都咸陽に迫る嶢関に達したときである。


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