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■訳 私は城郭の南に北にと戦い死んだ。 戦死した後は荒野に野ざらしとなって葬られず、カラスどもの餌食となっている。 誰か、私の為にカラスに告げてくれ。 異郷で死んだ一兵士の為に、せめて私の名を呼んで号泣してから喰ってくれ。 私の腐った肉体はおまえたちカラスの手から逃げてはいかないのだから、と。 水は深く音立てて流れゆき、蒲や葦は小暗く茂っている。 勇敢な騎兵は戦死し、馬は行くところなくあたりを彷徨いいななくばかり。 なぜ、領土を広げる為に私たちを南へ北へと狩り立てて戦争するのですか。 穀物を刈入れる者がいなくなれば、君主でも食事に欠くでしょうに。 戦争に狩りだされ戦死してしまえば、忠臣になろうとしてもできないではありませんか。 君主よ、あなたの良民のことを考えてください。 ほんとうに良民のことをお考えください。 あなたの良民は、朝元気で戦に出ても、暮れに再び帰ってくる者はいないのです。 |
この漢詩も詠み人知らずである。前漢の軍歌であったという。 戦死した者になりかわって、戦争を呪詛する詩である。 |